銀八ではないです。坂田先生です。









まず、はじめに。

先生はきみがすきです。

いい年していうのもなんですが、すきです。
顔がすきで、 黒い髪と白い制服の落差がすきで、 勝負事にはどこまでも真面目に取り組む姿勢が、すきです。
ほかにもいろいろと例がありますがあえて マニアックなところをあげるとすれば、靴下とズボンの間にほんのすこしだけみえる足首の肌がすきです。
嫌いじゃないといっても、いい、とかなんとか一度だけいってくれた精一杯の告白がすきです。
初めてキスしたときにつむらなかった両目が、悔しくて、すきです。
つまりは横柄な態度すらすきなのです。
だから、堂々とほかの生徒といちゃついているようにしかみえない毎日の光景もすきだといえるわけですが、まあ、それはうそです。
念のためもう一度述べておきますが、それはまったくもってうそです。

よって、以下はきみについて嫌いなところの選出です。

先生は沖田ときみが嫌いです。

その関係性が嫌いです。
きみたちの、ほかの誰にも有無をいわせない空気が嫌いです。
くされ縁でまとまりきらないなにかが嫌いです。
きみたちふたりがじゃれ合うみたいに顔を近づけすぎているところが嫌いです。
「なにしてんの」、と聞いても、まるで自然に見上げてくる態度が嫌いです。
「青春」、というあっぱれな答えが嫌いです。
その言葉じたいが世界のなにより嫌いだといいきれます。
こときみにたいしての嫌いというそれはすきだからこそ発生する感情であるということをこの羅列からわかってくれるとおもいます。
その上で次に入りますが、沖田、あの子はなにか、苛められても酷いことをされ続けてもきみがそばに引き寄せられてしまう、 日曜の7時半にはなぜだかいつでもダーウィンがきた!にチャンネルが回っているのと同じ類の特殊な電波でも出ていて、
きちんとお付き合いしている先生という人間がいるのにきみが彼をいつでも最優先にしてしまうのは 彼に無理強いされているわけでもなく根底からきみの意思であるのかどうかが問題で、
そして もしそれを肯定されたら先生はどちらかというと沖田と同じサドという性癖をもっているのでなにをしでかすかわからないというところが2つめの問題であり、
2つめに関してはそれが実際の問題になるかどうかはあくまできみ次第であるということをよく理解し、 きみは以上すべての先生の告白ををよく肝に銘じた上でこたえるように。
問1 きみも先生がだいすきですか

「・・・・・これテストだよな」


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